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ワクチン接種後の麻酔に関する指針
当麻酔科の対応指針:
1. 生ワクチン接種後4週間、不活化ワクチン接種後1週間の猶予期間をおく。
2. 生ワクチン接種後2〜4週間、不活化ワクチン接種後2日〜1週間の間に手術となる場合には、親権者に上記の危険性を十分説明し、同意を得たうえで行う。
3. 生ワクチン接種後2週間以内、不活化ワクチン接種後2日間は副反応が増強する可能性が高いため、予定手術は延期する。
ただし、緊急手術の対応はこの限りではない。
背 景:
1. ワクチン接種後の麻酔の安全な猶予期間について、これまでobservation あるいはrandomized clinical trialsを含めた臨床研究は“皆無”で、今後もStudy designの困難性から見込めない。
2. 現在ワクチンは、その毒力を弱めた生ワクチン(ポリオ、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘)、不活化した不活化ワクチン(三種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳)、日本脳炎、インフルエンザ、HB)、毒素を不活化したトキソイド(破傷風)に分けられる。
3. 通常、ワクチン接種7〜10日後に血清抗体ができ、初期にはIgMが、後期にIgGが現れる。感染抵抗力として重要なIgG反応のピークは2〜6週間後である(Nelson)。
4. 発熱、痙攣などの副反応は、生ワクチンでは接種後1〜2週間以内、不活化ワクチンでは2日以内に現れる。
予防接種ガイドライン(日本小児科連絡協議会予防接種専門委員会作成):
次のワクチン接種までの期間
1.
不活化ワクチン及びトキソイド接種の場合:
ワクチンによる副反応がなくなる1週間
2.
生ワクチン接種の場合:
ウイルスによる干渉防止のため4週間
ワクチン接種後の麻酔の危険性:
1. 麻酔薬による免疫抑制作用によりワクチンの効果が減弱する。
2. 生ワクチンの場合は弱毒株でも発症する。
参考文献
1. 日本小児科連絡協議会予防接種専門委員会編:予防接種ガイドライン1996
http://www.y-min.or.jp/vaccine.html
2. Peter G. Immunization practice. In Nelson Textbook of Pediatrics 16th edition. Edited by Behrman RE, Kliegman RM, Jenson HB, W.B. Saunders Company, 2000, P1081-1089.
3. 神谷齊. 第19章 感染症. 予防接種とワクチン. 小児科学第2版. 白木和夫、前川喜平監修, 医学書院, 2002, P668-679
4. 質疑応答. 臨床麻酔26:1565-1567, 2002

慶應義塾大学病院麻酔科
平成14年12月11日

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