日本麻酔科学会参加報告

初期研修医の先生と、神戸で行われた日本麻酔科学会に参加してきました。

学会名:日本麻酔科学会第69回学術集会

開催日:2022年6月16〜18日

開催場所:神戸ポートピアホテル・国際展示場・会議場

神戸で開催された日本麻酔科学会第69回学術集会に現地参加しました。COVID-19の影響で過去2年間はWeb開催となり、学会会場に足を運んだのは3年ぶりです。麻酔科を志望している初期研修医も学会体験を兼ねて同行しました。

Web聴講は移動の費用や手間もなく便利ですが、私は現地参加でしか得られないものが多いと考えています。まず、麻酔科学会では諸々の機器展示があって、初めての機器などを発掘する機会です。私達は、会場ホテルで神戸市内の眺望とランチを堪能したのち、機器展示場でシミュレーターを用いた超音波ガイド下のA line穿刺を体験しました。あまりに楽しめたので、科内で体験穿刺ができるように、担当者と名刺を交換して相談中です。

実際の発表を聴いて、誰かと会って話をすることは現地でしか得られません。初日の午前中に聴いた優秀演題では、内容以外にもスライドやポスターの見せ方など学ぶことが多々ありました。慶應病院からは、寅丸智子先生が優秀演題に選出されており、堂々とした発表をされていました。

良い発表を聴くと、自分自身も発表しようという前向きの姿勢になります。

また、今年は前日の社員総会から神戸に滞在できたことで、入局時にお世話になった研修担当の先生にお会いし、同期と話す機会にも恵まれました。他大学の先生と、それぞれの立場での麻酔の臨床や研究の現状、将来性について意見を共有する機会も得られ、日々の臨床や教育に向けて、気持ちを新たにすることができました。

学会での講演を聞いて、今回は特に、麻酔科領域の普遍的な知識を刷新することができたように思います。なかでも、シミュレーション教育をうまく活用し、知識・手技などのテクニカルスキルだけでなく、適切なチーム医療を実践するために、ノンテクニカルスキル教育も積極的に取り入れるべきだと感じました。輪状甲状間膜穿刺や中心静脈カテーテル留置、各種神経ブロックなどを行えるようになることは重要ですが、それらが必要な状況を適切に判断できないようでは、せっかくの技術も宝の持ち腐れです。緊急性を要する臨床現場で、チームで適切な状況判断ができるようになるためのトレーニングも、重要であると思いました。

研修担当主任 御園生 与志
若泉 謙太

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